Briongóid

Drama script

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In the Secret garden

Ep.01 夜の迷い子

利用規約

登場人物:

語り手・バーのマスター:性別自由。20代後半以上。

聞き手・学生:高校生か専門生。未成年。

設定:

昼間はカフェ、夜はバーという、あるお店。嫌なことでもあったのか、何やら物憂げな学生さんが来訪しますが…。

作者追記:

基本的にはマスターのひとり語りです。
大人だったら嫌なことがあったら一人でバーに逃げ込めるけど、子供はそうも行かずに部屋で布団かぶるしかないんだよなあ、というところから来たお話です。

001

おや……こんな時間にどうしたんですか?

002

いけませんよ、ここはあなたのような学生さんが来ていい場所ではないんですから。
カフェは夕方まで。夜はバーになっていると、前に言ったでしょう?

003

……何か、話したいことがあるようですね。

004

仕方ありませんねえ……。
ちょうどお客さんが途切れたところです。
あなたにお酒を出すわけには行きませんから、ホットワインを作ってあげましょう。
もちろん、ノンアルコールです。当たり前じゃないですか。

005

本来はちゃんとしたワインを使って、 オレンジやスパイスやはちみつを、たっぷり入れたものなんです。
ドイツではクリスマスの夜に飲むそうですよ。

006

それを一杯飲む間だけ、お話をうかがいます。
愚痴でも何でもいいです。ここはそういう場所ですから。

007

どうしてって?
そうですねえ……。

008

大人が孤独を癒やすお店は存在するのに、 子供にはそんな場所がなかなかないのだと、 あなたを見て気がついたから、ですよ。

009

でも、今夜だけですからね。
ホットワインを飲んだら、体が温まりますから。
心に溜まっているものを目一杯吐き出したら、 あとは家に帰って、一晩ぐっすり寝ることです。

010

明日の朝になったら、ちゃんと笑ってくださいね。

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